ストーリー -第5章-

佐藤は、一面に広がる海を見つめていた。
すると…何かが佐藤の近くまで流されてきた。
それは、古い板にかすれた文字で「ヴァルデミニカ」と書いてあった。
「確かにここにヴァルデミニカがあったようだが…いったいここで何が起きたんだ。」
佐藤は板を手に取り言った。
すると、どこからともなくテポドンの様な顔をした老人が現れた。
老人は佐藤をみると、「あなたもヒゲ戦士の生き残りですか?」と聞いてきた。
「ああ。俺はここにヴァルデミニカがあったと聞いて来たんだ。ここで何が起きたのか知らないか?」
佐藤は老人に質問した。
老人はこう答えた。
「詳しい事は分かりませんが、あなたに見せたい物があります…。
さぁ、こちらへ…」
老人について行った先には
なんと
石化した超巨大なポケ○ンずかんがあった
老人「これはかつて人類が栄えていた時、観光業者が作ったモニュメントです。あなたに見せたいものはこちらです。」
そういうと、老人はさらに先に進んだ。
どうやら見せたいものはまだ先にあるようなので佐藤は歩きながら聞いた。
「じいさん、いったい何を見せようとしているんだ?」
「もうそろそろですよ…」
老人はそう答えるばかりだったが、進めば進むほど、この一帯のカオスパワーが高まっているのを佐藤は感じていた。
「もうかれこれ一時間は歩いているぞ。まだなのか?」
佐藤は半分息を切らせながら聞いたが、老人は「もう少しです。」と答えるばかりだった。
「おい、なんだかさっきから同じ景色がループしてるぞ。大丈夫なのか?」
佐藤は老人を疑った。
老人は軽く溜め息を吐いた。
そしてゆっくりと話始めた。
「ようやく御気付きになられましたか…。
ここが、かつてヴァルデミニカがあった場所…いや、これが今もまだ生き残っているヴァルデミニカの機能の一つなのです。」
「体内のカオスパワーとここのカオスパワーを同調させてみなさい。そうすればヴァルデミニカへ行けます…」
老人にそう言われて佐藤はゆっくりと息を吸い込み目をつむった。
すると周りが凄い勢いで移動していくのを佐藤は感じた。
目を開けてはいけない。佐藤は本能でそう悟った。
動きが止まったので目をあけると、そこは北極ではなく、どこまでも広がる廃墟だった。
「おい、じいさん。…。じいさーん。」
そこにあの老人の姿はなかった。
老人を探すため、廃墟を見回していると見覚えのある人物が現れた。
「お前は…さっきの老人?でも若い…」
老人はかなり若返った姿で佐藤の前に現れてこう言った。
「ヴァルデミニカでは時に左右されない自分の真の姿になることができます。初めまして、私はVistaと申します。」
「vistaだとっ!世界中に勢力を広げていたXPを倒した、あのvistaなのか!?」
佐藤はとても興奮している。
vistaは意外な返事をした。
「いや…xpとは決着がつかなかったのです。
ところで…あなたはSEVENをご存じですか?」
「いや、俺は…」佐藤はこれまで体験してきたこと、自分が過去からいきなりこの世界に飛ばされたこと等をVistaに話した。
Vistaは佐藤の話を静かに聞いていたが、話が終わると「なるほど…」とつぶやいた。
「簡単に説明しますと、SEVENは私を倒した相当な実力者なのです。しかし、安心してください。彼は…いや、我々はあなた達の敵ではありません。我々はゲイツ様が率いるMSという組織の所属しています。組織の中でトップ争いがあるのは当然。私はSEVENに敗れトップからランク2に落ちたのです。」
vistaは説明をした。
「我々は、残されたヴァルデミニカが再び悪しきものの手に渡らないように管理しているのです。機能の大半が失われたとは言え、まだまだ強力な力があるのです。」
とvistaは続けた。
「ヴァルデミニカに一体何があったというんだ?」佐藤はVistaに質問した。
「それはいずれわかります。今は話を先に進めましょう。…現在、2つの組織がヴァルデミニカを狙っています。その組織はあなたが17世紀で出会った斎藤史明が所属する組織、…そして謎の組織・むらかみです。」
「むら…かみ…。」
佐藤は静かにそう呟いた。
「むらかみは組織の本部、ボス、所属する人員の数、規模、全てが謎に包まれています。ですが、ヴァルデミニカを利用して人類にとって恐ろしいことを企んでいることは確かのようです。」
「なんだって!…ん、確かスルーがムラカミという兄がいるとか言っていたが関係あるのだろうか…?」
佐藤は呟いた。
(ヒゲのヒトなら何か知っているかもしれん…。)
佐藤はそう考えた。
佐藤とVistaは話しながら廃墟と化したヴァルデミニカの地を見渡していた。そこには、かつて人類を超越する高度な文明があった面影はなかった。佐藤はこの世界でのヒゲのヒトの居場所を探そうとしたが、Vistaは知らないというだけだった。
vistaはしばらく、考えていて黙っていたが、考えがまとまったのか喋り出した。
「ここはもしかしたら、旧ヴァルデミニカかもしれない…」
佐藤は思わず声を荒げた。
「まさか…むらかみの真の目的は地球温暖化で失われた北極のヴァルデミニカではなく…」
Vistaは静かに答えた。
「そう。ヴァルデミニカの中枢、聖地ヴァルデミニカにあると言われる最終決戦兵器・ヴァルデミニカを奪うことだ。そして、ここがその聖地への入り口。」
「どうする?先に進むか?この先、何が起きるのか全く予想がつかないぞ。」
佐藤はVistaに聞いた。
「我々もむらかみについては分からない事が多すぎるのでどの選択肢が良いかは分かりません…
しかし、彼らが必ずここに現れるのは間違ないのです。」
「じゃあ、とりあえず入ってみるか」そういうと佐藤とVistaは中に入った。Vistaが「ドン!」と言うと巨大なトンネルが出現した。二人は中に入ったが、とても暗く、長いトンネルだった。
「このトンネルはお前の能力なのか?」
佐藤は歩きながら聞いた。
vista「いや、違う…」
「これはヴァルデミニカの中枢へ行くトンネルの様なものです。
北極とヴァルデミニカの中枢を繋いでいるのです。
ただ…ヴァルデミニカの中枢がどこにあるのかは、実はまだ詳しく分かっていないのです…」
Vistaはさらに話を続けた。
「聖地ヴァルデミニカはこの世とは違う異次元空間に存在しているとされています。我々の姿がこうして若くなるのもその為です。ですが、古い文献によると、ヴァルデミニカはかつて大西洋上今のフランス近くにあったとされ、なぜこうなってしまったのかは未だにわからないんです。『アトランティス』は実はこのヴァルデミニカだったのではないかという説もあるんです。
ちなみに、こうしたヴァルデミニカへ通ずる道はこの北極だけではありません。私が知っている限りでは、太平洋上にもうひとつあります。」
「つまり、ヴァルデミニカへの道は様々な場所に発生し、消滅する。という事か?」
佐藤が聞いた。
「簡単に言えば、そうです。
どういった条件で発生し、消滅していくのかはまだ分かっていませんが…。」
二人が話していると、いつの間にかトンネルの出口が見え始めていた。
出口からで出ようとした時、何かが佐藤とVistaを襲った!
佐藤は132ダメージを受けた!
さとうはホイミをとなえた!
HPが20あがった!
vistaはササッと逃げていたのでノーダメージだった。
佐藤は反撃の体制をとるために、酸化をはじめた。
佐藤「出でよ、佐藤大明神!」
そういうと、佐藤は佐藤大明神に酸化した。
「くらえ!ヒゲの波動!」
佐藤は攻撃を開始した。
しかし、辺りは暗く狙いが定まらない。
暗がりに潜んでいた敵はヒラリとヒゲの波動を回避した!
「私も今戦いに参加します!」VistaはそういうとVistaSP2に酸化した。そして奥義・ソリティアの呪文を唱えた。
「なにっ!SP1を飛ばしてSP2に二段酸化だとっ!」
佐藤は驚いた。
ヴァルデミニカに近いこのエリアでは、より強力な酸化が可能なのだった。
しかし、敵のあまりに速い動きで、ソリティアの呪文はよけられてしまった。
「仕方ありませんね。これならどうです。」
そういうとvistaはスパイダソリティアの呪文を唱えた。
スパイダソリティアの呪文は命中率に長けた技だ。
四方にカオスのパワーが広がっていく!!
スパイダーソリティアの呪文は敵に命中した。しかし、敵はそれでも尚動いていた。
「くっ、ならば第三の呪文・インクボール」
vistaはまた呪文を唱えた。
インクボールの呪文はvistaの持つ呪文の中でもかなり強力な呪文だ。
複雑な軌道を描きながら暗がりの中の敵を確実に捕らえた!
しかし、次の瞬間、Vistaは思わず「何…だと…」と言ってしまった。敵は確実にダメージを受けたにもかかわらず、びくともしていなかったからだ。
佐藤は「なんらかの中和剤か、防御シールドをはっているようだ」と言った。
「インクボールのダメージを減らしたということを考えると、中和剤だと考えられます。ですので物理的な攻撃をすれば、相手を倒すことができるかもしれません。」
vistaは敵の攻撃をかわしながらそう言った。
佐藤は呟いた。
「そうか…ならばヒゲドリルッ」
佐藤「俺のドリルは天を突くドリルなんだ。」
「援護します。インクボールで相手が怯んだスキに攻撃してください。」
vistaはそう言うとインクボールの呪文を唱えた。
「そこだぁ!!」
そう叫ぶと、佐藤はヒゲドリルで突進した。
???「ぐはっ!」
佐藤を襲った者は佐藤とVistaの連携技「ヒゲドリルブレイク」をくらい、ついに倒れた。
「フリーズ」
vistaはフリーズの呪文で相手の動きを封じ、近づいて話しかけた。
「あなたは一体何者です?」
だがフリーズで固まってしまい、返事が無い。
「しかし、この呪文を解いたらおそらくこいつは逃げるだろう。どうするんだ?Vista」
佐藤は心配そうにVistaに尋ねた。
「仕方ありません。ここはゲイツ様に頼みましょう。ゲイツ様のいる本部なら施設は充実してますし、優秀なヒゲ戦士も多数います。そこからなら逃げられないでしょう。」
vistaは話を続けた。
「私はゲイツ様のところにこいつを連れて行きます。
あなたは先にヴァルデミニカの中枢へ行ってみてください…。」
そういうとVistaはエクスプローラの呪文を唱え、魔方陣を形成すると、その中心に2人で立ち、すっと消えた。
残された佐藤は先を急ぐことにした。
闘っているうちに出口から離れてしまっていたので佐藤は出口まで急いで戻ってきた。
しかし、佐藤はトンネルの出口…つまりヴァルデミニカの中枢への入口を見つける事ができなかった。
歩いても歩いても出てこない出口に、不思議に思った佐藤は、ようやく気付いた。
佐藤「まさか…、さっき見えていた出口は、幻覚の出口だったのか!!」
「いや、まてよ。vistaはあれが出口などと一言も言っていなかった。
それにvistaはあの出口らしき光について何も言ってこなかった。
vistaが俺を騙している?
・・・そんなことはない。あいつのカオスパワーにそんな曇りはなかった。
とすると、vistaには見えていない?もしくは、俺にだけ見えた?」
佐藤は独り言を言いながら歩いていた。
すると佐藤の脳裏にある考えがよぎった。
「まさか…あの闘いの影響で…」
佐藤はふと思い出した。ここに来る前、ヴァルデミニカに入るときに北極で老人のVistaが言っていたことを。まさかと思い、佐藤はゆっくりと目を閉じた。
佐藤はカオスパワーを同調させようとした。
スゥー…
佐藤は、先程も感じたカオスパワーの波長の中に、今まで感じたことの無いカオスの波長を感じ取った。
近い。佐藤はとっさにヒゲ戦士の直感でそう感じた。そして、あたりがおさまるとゆっくりと目を開けた。
「!!!
ここが…ヴァルデミニカなのか…?」
佐藤はヴァルデミニカだと思われる空間にいた。
「これが…ヴァルデミニカなのか…」
佐藤は呟いた。
佐藤はヴァルデミニカに立っていた。
佐藤は噂には聞いていた。ヴァルデミニカは非常に発達した都市で、現世とほぼ完全に遮断していながら、非常に高度な科学技術を有しており、一つの都市だけで地球上のあらゆることが可能な万能帝国であると。しかし、そこもまた、かつての繁栄がわずかに残っているだけで、ほとんどが崩壊しかけていた。
佐藤はVistaから聞いていた、小高い丘にある聖堂にむかった。Vistaは、かつてヴァルデミニカ帝国の頂点として君臨していた代々の皇帝が聖堂にいたとされ、現在ではMSのトップ、ゲイツがその活動の拠点にしていると話していた。そして、聖堂の近くにはヴァルデミニカ研究所があった。他のものが過去の遺産と化す中で、この研究所は昔の機能を今も十分に果たしており、まるでそこだけ時代が何世紀も飛んでいるかのようだった。
佐藤はさっそく聖堂へと向かった。
聖堂を見上げた佐藤は、初めて来た場所にも関わらず、どこか懐かしいような感覚を覚えた。
聖堂はとても広く、教会のような作りになっていた。佐藤が聖堂の中を歩いていると、遠くから、全身ロボットスーツのようなものを着た男が近づいてきて、話しかけてきた。
「やあ、こっちにくることはVistaから聞いていましたよ。はじめまして、私がゲイツです。」
「ゲイツ、さっそくだが俺とvistaが闘ったヤツのことは何かわかったか?」
佐藤が聞いた。
なかなか口を割らないので詳しいことは分かりませんが、斎藤を17世紀に送り込んだ組織…あるいは「むらかみ」の手先であることは間違いないようです。
「まあ、いずれ全て吐かせて見せますよ。とりあえず、こちらへどうぞ。」ゲイツはそういうと、聖堂の奥にある皇帝の間に佐藤を案内した。
「すごく広いな。ここにはお前しかいないのか?」
佐藤は何気なく尋ねた。
ゲイツは答えた。
「はい。
この皇帝の間は強力なカオスパワーを有する者…つまり優秀なヒゲ戦士でなければ入ることは許されないのです。」
さらに、ゲイツは続けた。「ここは、初代皇帝ヒックイーノをはじめ、代々ヴァルデミニカを統べる者が使っていました。ここでは、ヴァルデミニカの全てを把握、管理することができます。いわば、ここが我々の最後の砦なのです。」
「最後の砦…か…。」
佐藤は意味もなく呟いた。
佐藤は思いだしたように、こうきりだした。
「そう言えば…まだ聞いていなかったな。
ここはどうしてこんなに荒廃しているんだ?
ここで…一体何があったんだ?」
Vistaは驚いたように言った。「ああ知らないのですね。今から数十年前、ここで大規模な戦争がありました。国境戦争です。」
「では、なぜ人々がいない?」
佐藤は真剣に尋ねた。
ゲイツ「仲間は皆、神谷学園物理電工部という組織に異世界にとばされてしまいました…」
ゲイツ「もう彼らは生きてはいないでしょう…」
ゲイツは遠くを見つめながらそうつぶやいた。
「神谷学園…物理電工部…。その組織は一体なんなんだ!?敵なのか!?」
佐藤は聞いた。
「お恥ずかしながら…今分かっているのは、斉藤を過去に送り込んだ組織、「むらかみ」、とも異なる第三の組織だということだけなのです。」
ゲイツは静かにそう答えた。
「しかしながら、我々は最近、MS内部に、ヴァルデミニカを狙う他グループのスパイが潜入しているという情報をつかみました。相手も相当本気できているようです。そのスパイの詳細は残念ながらわかっていません。」と、ゲイツは付け加えた。
「そうだったのか…。お前なら知っていると思うが、日本に私立神谷学園というお前たちの言う第三の組織と同じ名の学校があるんだが、案外そこに何かあったりしてな。」
佐藤は冗談半分に言った。
するとvistaは驚いた様子で、
「まさか…過去の神谷学園をご存じなのですか!?」
と叫んだ。
「日本ではかなりの有名校だ。過去っていうことは今は無いのか?」
佐藤は不思議そうに聞いた。Vistaは黙ってうなずいた後、言った。「今は確かなことは言えませんが、物理電工部が背後でうごめいているようです。今は神谷学園は消滅してしまいましたが。」
「ああ、そういえば俺がいた時代より未来だったなここは。」
佐藤は一人で納得した。
その時だった!
何者かが皇帝の間に入ってきた。
Vistaは振り返ってその人物をみると、驚いた顔つきで言った。「Leopard、遅かったじゃないか。」
「すみません。Snow Leopardにアップデートしてたら遅くなりました。呼び方は、Snow Leopardでは長いので今まで通りLeopardで構いません。」と、Leopardは軽く挨拶をした。
ゲイツはLeopardに話し掛けた。
「任務の方の経過はどうなっている?」
「はい、スパイの特定は未だできていません。しかし、敵グループには動きがないので、このまま監視を続けます。」Leopardは静かに言った。
「ご苦労。スパイのことは、キミに任せた。」
ゲイツがそう言うと、Leopardは
「お任せを。」
と言って部屋を出た。
(神谷学園のスパイ…一体何者なんだ…)
佐藤は心の中で呟いた。
佐藤はその後、新ヴァルデミニカと呼ばれる場所に案内された。そこでは、旧ヴァルデミニカと同様とはいかないものの、現在も旧市街からの生存者や新たな住人などで新しいヴァルデミニカとして栄えていた。
佐藤はVistaに連れられ新ヴァルデミニカを一通り案内されたあと、今日はここでおやすみくださいと、一軒の宿屋に案内された。
その宿屋には見覚えのある顔があった。
そう、久枝である!
佐藤は一瞬驚いたが、同じ現象で時空を超えているのだから別に不思議でも無いと思い直し、
「お前もここに来ていたのか。」
と久枝に話し掛けた。
久枝は「久しぶりだな」と言ったあと、こう付け加えた。
「実は俺は、一旦過去に行ったんだが、いろいろあって未来に来てしまったんだ。まあ、話すと長くなるんだ。それより、俺の友人を紹介しよう。」
そういうと、奥から一人の女性が現れた。落ち着いた感じで、「初めまして、私はMEです。」と名乗った。
「佐藤史明だ。」
佐藤はcoolに挨拶をし握手をした。
MEと名乗ったその女性は、佐藤がCoolに差し出した手を「M」の軌道を描いて避けた。
「お前もMSの一員なのか?」佐藤はとっさに聞いたが、MEは「いいえ」と言ったあと、少し間をあけて続けた。
「私は以前ゲイツ様に使えるMSの一員でしたが、現在では訳あって引退しました。今はある事情で久枝とヴァルデミニカについて独自の調査をしています。」
「ないと思うが、むらかみの一員ではないよな?」
佐藤は念のため尋ねた。
MEは口元に笑みを浮かべてこう答えた。
「フフフ…さすがね。どうしてわかったの?」
「目付きだよ」佐藤はすかさず答えた。
「その目は普通の人間じゃない。ここに来るときも、お前、バレないように様子を伺っていただろ。そんなやつはここにはいないからな。」佐藤は一通りいったあと少し考えて言った。
「むらかみってとこには、お前みたいな奴がうじゃうじゃいるのか?」
「フッ、そんなこと言うわけないじゃないですか。」
MEがそんな事を言っている間にMSのセキュリティーがやって来てMEを囲んだ。
MEは顔を上げて、
「でも、一つだけ教えてあげる。
この場所に佐藤と久枝…2人のヒゲ戦士を集める事が、私の任務だったの。」
と言った。
「ふっ、そうだと思ったよ。」MEと佐藤が振り返ると、そこにはゲイツと一緒に立つ久枝がいた。
MEは軽く舌打ちしたあと、小型の機械のようなものをだし、少しいじくると、光を放ちながら消えた。
「くっ、逃げられたか・・・」佐藤がそう言うと、久枝は
「問題ない。」と言った。
驚いた顔をする佐藤に久枝はこう付け足した。
「俺とあいつは赤い糸で結ばれているからな…」
「お前まさか、あいつとあの禁断の儀式を行ったのか!?」佐藤はさらに驚いた顔で聞いた。
「なんだよそれ…。そんなの聞いたこともないぞ。」と、久枝は言った。
佐藤は
「そうか…もしかしたらと思ったんだがな。
気のせいだったのか。」
と呟いた。
その後、久枝は多くを語らず、もの思いに耽った様子で自分の部屋に帰っていった。
佐藤はゲイツに、かつてMSに所属していた時代のMEの様子を聞いたが、真面目で忠実な子だったとしか答えなかった。
「ふぅむ、これからどうするか?」
佐藤はゲイツからMEの事を聞いたあと部屋へ行きこれからの事を考えていた。
取り敢えず、このヴァルデミニカで過去に何があったのかを調べることにした。

この研究所に来る前に見た廃墟、廃墟となったヴァルデミニカ、MEが言っていた、この場所に自分と久枝を集めた理由…
全てがヴァルデミニカの過去に繋がっている―
そんな気がしたのだ。
しかし、過去のデータベースを調べようとしても、MSが創設された10年前までのデータしか見ることができず、それ以降のデータはMSの権限ですべて削除されていた。
佐藤はゲイツがヴァルデミニカに関する重要な秘密を握っていることを確信したが、それを突き止められず、イライラしていた。
(そういえば、MEは「久枝とヴァルでミニカについて調べている・・・」と、言っていたな。)
「よし、話してくれるかわからないが、久枝に聞いてみるとしよう。」
佐藤は久枝の部屋へと向かった。
久枝には研究所から少し離れた場所に建てられた屋敷の一室を与えられていた。
研究所程ではなかったが、辺り一面が廃墟になっている中で明らかに浮いている建物だった。
ドアをノックしてが返事がないので、試しにドアノブを回すとドアが開いた。
佐藤は一瞬ためらったが、勇気を出して部屋に入り、久枝を探した。久枝は部屋の隅で忙しそうにiPadをいじっていた。
佐藤は久枝にMEと調べていた内容について聞こうとしていたが、iPadが気になってこう聞いた。
「それはiPadじゃないか。それで一体何をしているんだ?」と。
久枝は慌てた様子で
「え!?
これはipadじゃなくて………
えーと…えーと…『いぱど』だ!
決してMSの対抗勢力の秘密兵器をいじっていたわけじゃ無い。」
と言った。
「何を言っている。MSにそんな秘密兵器ないぞ。どっからどうみてもiPadじゃないか。」佐藤は冷静に言った。
「まあいい。それで何のようだ?俺の監視でもするように頼まれたのか?」
久枝は落ち着きを取り戻し言った。
「実はそうなんだ。」
佐藤は嘘をついた。
「ふっ、まあいい。俺は俺の為に戦う。くれぐれも邪魔だけはするなよ。」久枝はそういうと、今度は忙しそうにPSPgoをいじり始めた。
「PSPgoか・・・。また珍しいものを持っているな。監視の件とは別に聞きたいことががあるんだがいいか?」
佐藤は聞いた。
久枝は答えた。
「MEの事についてなら話せる事はもう無い…。」
「やはりそうか…。だが、少しでいいから教えてくれないか?MEってなんなんだ?19世紀から飛ばされたあと、お前に何があったんだ?なんでお前はPSPgoを持っているんだ?」佐藤はまくし立てるように言ったが、久枝は黙ってPSPgoをいじるだけだった。
「PSPgoはゲイツから貰ったんだ。ゲイツはソニー・松下・サムスン三世から貰ったらしいが、なんか箱で貰ったらしく「無駄に余ってるから。」と言ってくれたんだ。お前も欲しいならゲイツのところに行けばいい。」
久枝はPSPgoをいじりながら説明した。
「…19世紀から飛ばされたあと、俺は過去に行ったんだ。」
久枝は説明を続けた。
「俺はそこで、驚くべき人物と会ったんだ…」久枝は遠くを見つめながらゆっくりと語りだした。

  • 最終更新:2010-02-15 21:40:32

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